シリーズ《鳥さん物語》〜第②羽〜

シリーズ《鳥さん物語》〜第②羽〜

【とりだす・お迎え】

鳥さんは、新しい環境に移る時、怖がるという事で、鳥のおじさんは、ティッシュ箱くらいの小さな箱に入れて渡してくれた。このくらいのサイズの方が、暴れなくていいとの事だった。暗くしている方が落ち着くのだとも言っていた。

家族3人でお迎えに行き、その小さな小箱を揺らさない様、ホールケーキを買った時の様に丁寧に運ぶ。たまにカサカサと足を動かす音が聞こえる。

一緒に買ったカゴや餌や止まり木を整えて、鳥の入った小箱を少し開けてカゴの入口に近づけるも、怯えて出てこない。

オカメインコは、こういう時にオカメパニックと呼ばれるパニックを起こして大暴れをしてしまうと、事前に買った『オカメインコとの生活』に買いてあった。

「ヒマワリ🌻、新しいお家だよ。」

そんな事を急に言われても、今日、ヒマワリ🌻と名付けられた、ヒマワリ🌻は、誰がヒマワリ🌻か分からない。ヒマワリ🌻が名前なのかも分からない。まさかヒマワリ🌻は、自分の名前が今日ヒマワリ🌻と名付けられた事に気づかない。

自分から出てきてくれないので、やむを得ず、箱から「とりだす」事にした。いや、「とりだす」とそのまま暴れて飛んでしまうかも知れない(羽切りはしてあるが)。

なので、筒状の箱を両方開いて、後ろから、カゴの入り口へ、少し強引だが、押し入れる形をとった。少し、嫌がって、バタついた。カゴの中でも、少しバタバタしたが、オカメパニックを起こすほどでは無かった。

【とりかえ・餌箱】

慣れるまで、1ヶ月位はカゴから出して、放鳥はしない様にと、鳥のおじさんは言っていた。

生後約3ヶ月のオカメインコのヒマワリは、あどけない顔の様な顔をして、止まり木に止まっている。時折り器用に爪やクチバシを使って、カゴの壁を上り下りする。

「あ、そこは飛ばないのね。」

と、私は思う。

ヒマワリは、止まり木に静かに止まっていて、穏やかに見えるが、2日経っても餌を食べていないようだった。その事を鳥のおじさんに伝えたら、おじさんは古い餌箱をくれた。それは、ヒマワリがまだこのお店に居た時に使っていた物だった。

黄緑色の小さな箱で、カゴに引っ掛ける為の、針金は何度か曲げ直された様にいびつに曲がっていた。きっとここで何羽もの鳥さん達がこの箱から餌を食べて、巣立って行ったのだろう。

2日も餌を食べていない事を心配した鳥のおじさんが、その年季の入った餌箱を譲ってくれた。ヒマワリがヒナの時にスプーンから餌をもらっていたのを卒業して、自分で食べる様になった時から使っている餌箱だ。

餌箱をとりかえて、念の為、オカメインコより、少し小さい鳥用の餌も買ったので、最初の餌と混ぜてヒマワリのカゴに設置した。

ヒマワリは、それを見て、何事もなかったかの様に餌箱に顔を突っ込んでパリパリパリパリと、餌を食べたのでしたとさ。

めでたし、めでたし。

P.S.

さすが鳥のおじさんありがとう。

【とりみだす・羽ばたき】

のちにあと2羽の鳥さんをお迎えし、3羽と暮らす生活となる。鳥はそれぞれ種類や体の形大きさによって、その行動特性は異なる。鳩は何故か歩く時に首を前後に動かすし、水鳥は水に潜って魚を追う。渡り鳥は、何百キロ、何千キロと大空を羽ばたく。

うちの3羽は、「ヒマワリ🌻」がオカメインコ、コレから紹介していくのが、ウロコインコの「オリーブ🫒」。そして、ズグロシロハラインコの「みかん🍊」。その中で、私の中の「鳥」のイメージで1番鳥っぽいと思うのが、ヒマワリだ。

そんなヒマワリが、やっとカゴから出せる様になった頃。一応風切り羽は切ってあるから飛べないと言われていても、高く飛べないだけで、2、3メートルは飛ぶ。

まだ人間も鳥もその距離感が上手く掴めていないので、指に乗ってくれる事もあるが、何かが嫌で慌てて飛んでいってしまう。それでも少し羽ばたいたら、近くに着地するので、しばらくは飛べないなと鷹をくくっていた矢先、ヒマワリも思い切ったのだろう。

今まで軽く飛んでいたのは練習だったのか、突然、大きく羽ばたくと今までの倍くらいの距離を飛ぶ。

「あわわわわわ、、、」と慌てふためき、タオルで抑えようとするが、また更に羽ばたき、当時カーテンをしていなかった窓に「がんっ!」っと、ぶつかってしまった。

ヒマワリも私も「とりみだす」。

やはりこの子は鳥なんだ。とても、鳥っぽい鳥だ。

すぐこの後、窓にはレースのカーテンを。そして念の為、病院に連れてゆき、怪我が無いことを確認する。クチバシの、少し色味がかった所は当初窓にぶつかった時にできたアザと言われたが、どうやら元からの模様のようだった。

こうやって少しずつ、鳥さん達との生活が始まって行く。

ひょんな事から、ヒマワリと出会った日が偶然にも、息子の誕生日に近かった為、この年の誕生日プレゼントは、鳥さんという事になり、息子はいつもよりも喜んでいたが、実は大人都合だったと言う事をまだ知らない。

【止まり木・このお話のあとがき②】

みなさまお気づきでしょうか?この鳥さんシリーズの【小見出し】は、どれも【とり】がいる事を。

と言いつつ、もう【とりのついた小見出し】が思いつかないのでやめようと、お店で泣き言を言ったら、お客様達が、たくさんアイデアをくれたので、もう少し【とり】のお話を続けてみようと思いますが、もし突然、【普通の小見出し】に変わっていたら、アイデアが尽きたとご理解ください。

また、鳥さんシリーズの合間に、普通のブログも挟んでいく事もあります。鳥さんシリーズは、ダラダラと末永く書いていこうと思っております。

恐らく、2024年、ブログにて皆様とお会い出来るのは、今回が最後になろうかと思われます。本当は年内にブログ総計100話を目指していたのですが、5月で筆が止まり今に至る。

また2025年も引き続き、まず100話を目指して書いて行きたいと思います。

本年も大変お世話になりました。

また新年もCafe&Bar BlueReefで。また、このCafe&Bar BlueReefのホームページより、ブログでお会いしましょう。

🤗🤗ありがとうございます🤗🤗

Cafe&Bar BlueReef

店主

角井正朋(つのいまさとも)

2024.12.吉日。

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