【ととのう】
【ととのう】
この時期、唯一増えたのは、自由に使える時間だ。
今までも自分なりに「有意義な時間の使い方」は意識していて、それは根本的に変わらない。
「自由な時間」だけれど、
お店が開けられない「不自由な時間」。
ただ、時間割の決められていない時間によって、一つできる様になった事。
「マックをアプリで事前注文する。」だ。
以前は、マックに並ぶ事を試みたが、心が折れた。
並ぶ人が皆、アプリをいじっている。
待っている人の数より遥かに多くの、整理番号が掲示板に並んでいる。
その列にスマホもなく紛れ込む、白髪の女性の不安そうな顔を見る。
これは、早いのか、、、遅いのか、、、
昔は目の前の列の分だけ待てば良かった。
それ以来、マックを利用する事が出来なくなってしまった。
、、、知らぬ間に流行っている言葉「ととのう」は、増えている「サウナー」の1つの到達点。
熱→冷→熱→冷の繰り返しから得られる多幸感の事。
「アプリ」は「流行語」の様に、昔から有るものの仕様を少しだけ変えてしまった。
お手軽にする代償に、ワインの樽の底に溜まる「オリ」を取り払う。
「自由に使える、不自由な時間」が、
何年かのタイムラグを乗り越え、
私に、「アプリ事前注文」を可能にした。
そして何年か前から感じていた多幸感の事を
「ととのう」と呼ぶ。
という事をスマホが通知した。
【高地トレーニング】
知人に進めららて去年の終わりから始めた、低酸素室での「高地トレーニング」。
酸素濃度は標高約3000m。
富士山の頂上付近程。
30分のウォーキングで血中酸素濃度が79SpO2まで落ちる時もある。
通常酸素でここまで落ちたら、救急車必須レベル。
コロナにかかったときの警戒目安は、およそ90SpO2程。
減圧はされていない為か、思ったより苦しくはなく、ほのかに暖かい部屋の中での低酸素ウォーキングは、思いの外、大量の汗をかいて心地がいい。
個人差はあるだろうか、アドレナリンか何かが出やすくなるのか、たった30分のウォーキングでもテンションが高くなる。
ついつい、何本かダッシュもしてしまったり。
部屋の外に出た時の爽やかな空気。
肺一杯に吸い込む。
この感じ何かに似ている。
この多幸感。
これもまた、「ととのう」か。
【リラックス】
抑圧されたり、禁止されたりすると、どうしても陰鬱な気持ちになる。
人は「あと何回」とか、「いつ迄」とか期限があると、割と頑張れるらしい。
それに対して「落ち着くまで」や「もう少し頑張れ」など、曖昧な基準に耐えようとすると、途端にメンタルが落ち込んでしまう。
そんな中でも、「ととのう」現象は一時でも気分を変えてくれる。
人は意外とこの「気分転換」によって立ち直る。
東京に出てきた20年前。
うまく生活に馴染めず、不眠症になり、どうせ眠れないならと、茅ヶ崎に行ってサーフィンをした。
海は広くて大きかった。
悩みは、海から見たらとても小さかった。
やがて、私は東京に馴染んで行った。
コロナになる前、数年間は、よく多摩川をジョギングしていた。
Bartenderにとって昼間の活動は必須で、何もしないでいると何日も太陽の光を浴びない事になる。
コロナでそのルーティンが崩れ、今の私にとって代わりに始めた「高地トレーニング」が、良い「気分転換」となった。
振り回されるご時世の中で、
リラックスできる「ととのう」時間に助けられている。