【モスコミュール】
【モスコミュール】
久しぶりにカクテルのお話。
割と有名なカクテルのお話です。一般的にはウォッカのジンジャーエール割り。
「モスコミュール」です。
よくお酒をジンジャーエールで割るものをバックと呼ぶ事があります。つまりこれは別名ウォッカバックとも言えますが、このカクテルには逸話が有ります。
カクテルの由来は諸説ある場合がありますが、ロマンのある逸話を持つカクテルの一つがこのモスコミュールです。
意味はモスクワのラバ。キックの強いラバの様なカクテルという事でその名がつけられたとか。
ちなみに、アメリカで生まれたカクテルですが、「モスコー・ミュール」と伸ばして発音しないと通じないそうです。
【インスタ映えを1946年から見据えていた?】
時は1940年代のロサンゼルスにて。
ジンジャービアの在庫をかかえていた人、その友人は銅製のマグカップの在庫をかかえていた。ウォッカ販売が後手に回っていた企業があった。
そんな三者が力を合わせて作ったカクテル「モスコミュール」。現在では世界中で知られており、日本ではカラオケボックスなどにもあるくらいです。そんな一杯を広める為にやった彼らの行為は実にユニークで効果的でした。
まずニューヨークのバーで作ってもらい、お客様に飲んでもらう。それを写真に撮って、ニューヨークでは今このカクテルが流行っていると、いろいろなバーで見せて回った。
するとたちまち人気になり、アメリカ全土で流行したのいうのです。
まさに今のインスタ映えでバズった!と言った感覚ですね。
【3つの要素が清涼感を演出する】
そんなモスコミュールですが、今でもバーでは根強い人気があります。生姜が、クセのないスッキリしたウォッカを引き立てます。
当初ジンジャーエールではなく、日本ではあまり馴染みのないジンジャービアを使っていました。今はジンジャーエールを使うバーが多いと感じます。
作る際に生の生姜を入れたり、ウォッカに既に漬け込んだりするお店もあり、それぞれのお店の個性が光るカクテルです。
また、あまり馴染みのない銅製のマグカップですが、これがとても爽やかな味わいを演出します。
たまに昔ながらの喫茶店のアイスコーヒーなどにも使われる事がありますが、銅はとても熱伝導が良く、唇に触れたときグラスに比べて遥かに冷たさを感じることができます。
元々、偶然余っていたもので考案されたモスコミュールですが、今となってはどれも一つとして欠くことの出来ない存在となっています。
まだ残暑の続く中、爽やかな一杯を飲みたくなった時は是非モスコミュールを思い出して頼んでみてください。