【おにぎりの様なものを】
【おにぎりの様なものを】
「やっぱり、これだ。幸せだなぁ。」
原点に帰って、おにぎりを頂いた時。
いや、おにぎりを頂いて原点に帰ったのだ。
おにぎりは、温かくて、海苔が巻いてあるやつが好きだ。好みもあるし、シチュエーションによっては冷めてしまう事もある。
どんな崇高な和食の職人でも、握ってくれた、そのおにぎりから、その人の人間身を想像する事ができる。
気がする。
そこに込められた思いを頂く。手作りとはそう言うものなのだと思う。
ふと、温かい手作りのおにぎりを頂いた時、「ああ、なんて美味しいんだろう。」と思った。
幸せとは、こういう事なのだろうと思った。
世の中素晴らしい事がたくさんあるし、美しい物も、高価なものも、希少なものも、あげればキリがない程にある。
自然にある、美しさも数多あるし、人が作り出した美しいものも沢山ある。
今度機会があったら、あなたにとっての、おにぎりの様なものについて聞いてみたい。国や文化や家の習慣などによって違うだろうけど。
願わくば世界中の誰もが、一度は誰かに手作りの食べ物を作ってもらった事が、あります様に。
【先日アメリカにいった、青年の話】
アメリカ人よりも特別で、日本人よりも特別で、その分、大変な事も多いだろう。日本で生まれ育ち、高校時代をシアトルで過ごし、日本とアメリカの国籍を持つ彼が、2年ほど日本に帰っていたけどまたシアトルに行った。
完璧な日本語を話すけど、話してると彼を作る要素の中にアメリカ人がいる事も強く感じる。
戦争を経験しているお父様のお話は、私が経験した事のないリアルだ。
そんなお父様を誇りに思う彼は、強い使命感を持ち、強い葛藤を抱え、アメリカに行き、電話でお父様と話して、海兵隊に入る道に進んでいる。
アメリカに戻って、2週間も経たずに彼は、大学入学が決まり、また海兵隊の方とコンタクトをとって来週からは一緒にトレーニングをすると言っていた。
「目的意識が高いってのは、本当にすごい。物事の進みが早いし、迷いがないよね。」
なんて事を、残された僕らは、彼のいないカウンターを挟んで懐かしむ。
たまに、日本にまだ来ていないハンバーガー屋さんの写真や、メキシコからの逆輸入コーラがいかに美味しいかなどの連絡がくる。
【人生は絵を描くようなもの。】
最初に描いた構図もつけたし付け足しで変わってくる事もあるし、上から色も塗り足していく。
最初に描いたものと違った出来上がりに、なるかも知れないけれど、それがあなたの重ねてきた人生。
日本で生まれても、アメリカで生まれても、地球のどこで生まれても。その時、想い描いたものを塗り直して、重ね塗って、描き出して行くのが人生。
色々な価値観があるけど、「こうあるべき」と言う、「べき論」は、少なくとも僕は全て否定する。「こうあるべき」と思っていた事にとらわれずに、意見を変えてもいいと思う。やり方を変えてもいいと思う。
そうやって、試行錯誤して描かれたものの、最終形態だけが作品なのではなく、その過程で塗り重ねられてきた物、その全てを少なくとも僕は肯定する。
1周まわって、2周まわって、3周まわって。
グルグル回った上で、今1番好きな食べ物は「おにぎり」だ。
それを頂くと僕は
幸せになれる。
あなたにとっておにぎりの様なものはなんだろう。