【あらためて振り返る・夏】

【あらためて振り返る・夏】

おかげさまで、Cafe&Bar Blue Reefが10周年を迎えて、ほぼ2週間が経ちます。

今年の7月2日は、例年に無い早さで梅雨が明け、既に真夏日となっていました。

私は夏生まれ、海育ちで、暑い事は基本的に好きですが、毎年この日が来る事を、少し緊張して待っています。

振り返ると10年前の5月の終わりに、この場所で、10年後もここにいる事を、自分に誓ってはじめたオープン準備。あまりに急に決まったご縁で、前職を辞めるのは、このお店のオープンの3日前位だったと記憶しています。

6月1日に急に1ヶ月後に退職させてくださいと伝えて、バタバタと引き継ぎをしながら、隙間時間に並行してお店に来てオープンの準備を進めました。

あまりにやる事を抱えすぎて、頭が混乱して1日に5回電車を乗り間違え、渋谷駅のホームで悔しくて泣いていたり、寝る時間が取れず気づいたら開業準備中のお店の床で寝てしまい、飛び起きて職場に向かったり。

おそらく、そんな私は、全てが手に付いておらず、ただ必死で、混乱の中、多くの方に助けられて、見守られて、迷惑をかけていながらも、間も無く開業するお店のために快く、多くの方に応援して頂いていたのだろうと、つい先日のことの様に今も思い出します。

【1日、1日、】

お店の開店日は、以前から決めていたわけでは無かったのですが、物件と出会った当時、資金も全然無かったので、空家賃は払いたく無いと、

出来るだけ1ヶ月以内にと思って、6月の頭に契約を交わしたので、キリ良く7月1日にオープンしようと思いました。

その矢先、7月2日が、その年は「大安」だと知ったので、オープンを1日伸ばしました。

当時リーマンショックや大災害があり、私の出店資金調達計画はあまり上手く進んでいなくて、いつお店を出せるか全く読めない状況でした。

でも面白いもので、当時の私のノートに出店計画として、逆算したお店を出す時期が、その5年前に記してあり、そこには2012年7月と書かれていました。

お祝いの言葉や、お花や、プレゼント、多くの方のご来店。ここにお店を出す前からご縁の有った多くの方々に囲まれて営業がスタートします。

やがて、その御祝いのお花を見て地元学大の人達も入店してくれて、私は、フワフワと非現実な場所に浮いている様な、高揚感と緊張感と解放感と、忘れつつある疲れを感じながら、何とかお店を切り盛りしていた様に思います。

そんな日々を、1日、1日。

一つとして同じ日は無く、1日、1日とやっていくうちにやがて御祝いのお花も片付いて。

暑い夏から、秋へ、冬へ。そして年越し。

ご縁があって、その大晦日、東京ではじめて除夜の鐘を鳴らす経験をさせて頂く事となる。

【ここからまた10年後の夏へ】

10周年を迎えるまで、お客様に「もう直ぐ10年!すごいね!」と言われても実感がなく、「あっという間で、オープンしたのがまだつい先日の事の様です。」と、答えていました。

しかし今、10年という1つの節目を迎え、改めて次の10年、さらにその先の10年へと歩みを繋げて行くのだと思うと、この初めの10年間の重みを実感しないわけにいきません。

お店を出す前も、この10年の間も、世界は目まぐるしく変わり、そして人々の生活を脅かす恐ろしい事も沢山起こり、またこの先も、そうなのかも知れません。

でも、気持ちを少しだけ前に向け、自身の周りの、小さな喜びを感じ、幸せを分けて貰いながら、

また、一歩づつ、1日、1日と細々とではあるが、歩き続けられれば、必ずいつか、そこに辿り着けると信じて、次の夏、また次の夏を「迎えに行きたい」と思います。

また皆様と共に歩める事、皆様のご多幸を、お祈りしながら。

いつもありがとうございます。

これからも日々精進してゆきたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

2022年・夏・大安吉日

Cafe&Bar Blue Reef      

店主 角井正朋(つのいまさとも)

(下・2012.7.2. 撮影)

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